おせち料理の詰め方は5種類!
上手く詰めるコツや料理の種類も紹介

おせち料理は重箱に詰めて振る舞うのが一般的で、重箱への詰め方は主に5種類あります。お弁当と同じように、色の並びや汁物の詰め方に気を配ることで、より彩り豊かで美味しそうな見た目に仕上げることができます。この記事では、おせち料理の詰め方の種類やコツについて解説します。おせちの代表的な料理や、食卓に出すときのポイントも紹介しますので、おせちの盛り付けの参考にしてください。

おせち料理の詰め方は5種類!上手く詰めるコツや料理の種類も紹介

おせちの定番の詰め方

おせちの詰め方は多種多様で、料理の種類や量にあわせてさまざまなアレンジを楽しめます。ここではおせちの定番の詰め方を5種類紹介します。

田の字・市松

方眼紙や碁板のように、お重を正方形に仕切る詰め方です。お重を4分割した詰め方を「田の字」、6分割した詰め方を「市松」と呼びます。部分的に仕切りを増やしたり減らしたりとアレンジも簡単にできるので、料理の種類や量にあわせやすいのが魅力です。

段取り(段詰め)

お重を横長の長方形に仕切る詰め方です。上から見るとドイツ国旗のような見た目になります。スペースが広いので、量の多い料理にも対応しやすいことが魅力です。基本的には3段に仕切りますが、料理に合わせて仕切りを増やしたり、部分的に縦方向に仕切ったりすることもできます。

升掛け(手綱)

段取りを45度傾けたような、お重を対角線上に仕切る詰め方です。3つもしくは5つに仕切るのが一般的ですが、仕切りの数や位置を変えるだけでさまざまな詰め方が楽しめます。升掛けでは直線的に仕切りますが、曲線状の仕切りを使った詰め方は「扇詰め」と呼ばれ、扇が重なったような華やかな見た目になります。

七宝詰め

お重の中央に大きなダイヤを配置したような詰め方です。日本の伝統的な模様である「七宝紋」のように見えることから七宝詰めと呼ばれています。中央のダイヤのようになっている部分の中を、田の字のように正方形で仕切ると、さらに豪華な見た目になります。

末広

丸い小鉢をお重の中央に配置して、そこから四隅に向かって仕切りを設置する詰め方です。小鉢には数の子やえびなど、おせちの主役になるような見た目にも華やかで贅沢な料理を入れると、おめでたい雰囲気を高められるでしょう。

おせちの詰め方のポイント

自宅で手作りしたおせちや、買ってきたおせちを自分でお重に詰める場合、どんな点に気をつけたら良いのでしょうか。おせちを上手く詰めるためのポイントを2つ紹介します。

似たような色の料理は離して配置する

似た色の料理が隣り合わないように配置しましょう。たとえば黒豆と昆布巻はどちらも暗い色合いなので、数の子やかまぼこなどの華やかな色の料理の隣に詰めるのがおすすめです。コントラストをつけることで、お正月らしい豪華な見た目を演出できます。

汁気のある料理はカップを使う

おせちの定番料理には、黒豆や筑前煮、煮魚など汁気の多い料理もあります。おせちは数日に分けて食べることも多いため、煮汁が他の料理に染み出して、本来の風味を残ってしまう可能性があるでしょう。そうしたリスクを避けるためにも、小鉢や小皿などに入れて詰めるのがポイントです。

きれいに詰めるためにおせちの種類を知ろう!

そもそもおせちにはどんな料理があるのでしょうか。まずはおせちの構成と、料理を詰める場所の考え方について紹介します。

おせち料理の種類は5つ

おせちは「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類から構成されています。20〜30種類もの料理が詰められているのが一般的です。会席料理では料理が出される順番に出されますが、おせち料理は重箱の上の段からいただくのが伝統的なマナーとされています。

詰め方は重箱の段数によって変わる

おせち料理は食べる順番にあわせて詰められます。前菜にあたる「祝い肴」や「口取り」は上の段に、会席料理ではご飯の前にいただく「酢の物」「煮物」は下の段に詰めるのが一般的です。おせちに使う重箱は5段もしくは3段が一般的で、それぞれ以下のように詰められます。

<5段>

・一の重:祝い肴、口取り
・二の重:焼き物
・三の重・与の重:煮物、酢の物

※5段目は「福を詰める」場所として空箱にする

<3段>

・一の重:祝い肴、口取り
・二の重:焼き物、箸休めになる酢の物
・三の重:煮物

「祝い肴」としておせちに詰める料理

そもそもおせちにはどんな料理があるのでしょうか。まずはおせちの構成と、料理を詰める場所の考え方について紹介します。

黒豆

「マメ(豆)に元気に働けるように」という願いが込められており、無病息災を願う食材です。地域によって煮方に差があり、関西では柔らかく丸くなるよう煮ることが多く、関東では「しわが寄るまで元気に働けるよう」しわが付くように煮るのが一般的です。

数の子

ニシンの卵であり、たくさんの卵の粒が並んでいる様子は、子孫繁栄の願いが込められています。また、ニシンは漢字で「二親」という字が当てられます。これは、両親の長寿を願うという意味合いがあります。塩漬けにして販売されているのが一般的なので、塩抜きしてから調味料で煮込み、味付けします。

田作り

カタクチイワシの幼魚を乾燥させて、醤油、みりん、砂糖などを使い、甘辛く炒った料理のことを指します。昔は小魚を田畑に肥料として撒いていたことから、五穀豊穣・豊作の願いを込めて「田作り」と呼ばれるようになりました。漢字で「五万米」「五真米」といった字を当てて「ごまめ」と言うこともあります。慶事を祝う、代表的な肴です。

たたきごぼう

地中深く根を張ることから、長寿や家内安全の象徴とされるごぼうは、おせちの食材の定番です。そのごぼうをたたいて料理するたたきごぼうには「運を開く」という意味を持っています。

「口取り」としておせちに詰める料理

かまぼこ

「初日の出」をイメージさせる半円形の練り物で、12ミリの厚さで切るのがもっとも美味しいとされています。紅白のかまぼこを交互にならべたり、飾り切りをしたりして盛りつけるのが一般的です。紅色のかまぼこは「めでたさ」や「魔除け」、白色の部分は「神聖さ」や「清浄」を意味するとされています。

伊達巻

伊達巻のルーツは、長崎の卓袱(しっぽく)料理にあったカステラかまぼこだとされています。巻物のような見た目から、「学業が成就しますように」という願いが込められておせち料理の定番になったようです。ふわふわとした食感で汁気を吸い込みやすいので、黒豆とは離して配置すると良いでしょう。

昆布巻

ニシンをはじめとする魚を昆布で巻き、かんぴょうで結んだ料理です。「二親(ニシン)」や「養老昆布(よろこぶ)」などの語呂合わせから、「不老長寿」「子孫繁栄」などの意味が込められています。昆布巻は深い緑色をしているので、明るい色の料理の隣に配置すると彩り豊かな見た目になります。

栗きんとん

栗やさつまいもの甘露煮と餡をあえた、黄金色の料理です。きんとんは漢字では「金団」と表記し、色や字の通り金運上昇を願っておせちに詰められています。栗はかつて武運を祈るために食べられていたことから、「勝負強い一年でありますように」という意味もあるようです。

錦糸玉子

ちらし寿司や冷やし中華の上に載ったものも「錦糸卵」と呼びますが、おせちの「錦糸玉子」は金太郎飴のように黄身と白身の層で渦巻き模様や市松模様が作られた卵料理のことです。黄身と白身の「二色(にしき)」になっていることから、「錦(=財宝)」と語呂合わせがされ、縁起物として取り入れられています。

「焼き物」としておせちに詰める料理

ブリ

出世魚として知られているブリ。地域によってその名は違うものの、大きくなるにしたがって名前が変わることから、立身出世を願う縁起の良い魚と言われています。
おせちでは照り焼きとして調理されることが一般的ですが、柚子などとの相性もばっちりです。おせち以外にも、おめでたい席で用いられることが多い魚です。

タイ

「めでたい」の語呂合わせで有名なタイ。特に尾頭付きのタイは、頭から尾まで(最初から最後まで)物事をやり通すという、「首尾一貫」という言葉を表します。紅白の色も縁起物とされ、おせち以外にも、お食い初めなどの祝い事や、門出の席に欠かせない食材のひとつです。

えび

長いひげと背を丸めた姿は不老長寿の象徴。漢字で「海老」と書くえびは、長生きを祈願する意味合いがあり、おせちに人気の食材です。おせちには、頭のある有頭えびが一般的に用いられます。

「酢の物」としておせちに詰める料理

紅白なます

千切りにした人参と大根の姿が水引に見えることから、家内安全や縁結びを祈願するために食べられる紅白なます。水引には、魔除けの効果があることでも知られています。

酢だこ

おもに関東以北でおせちとして食べられる酢だこ。茹で上げると紅白の色鮮やかな姿になるため、おめでたいおせちにはぴったりの食材です。たこは墨を吐くため、「難事を煙に巻く」ことができると考えられています。足が8本で末広がりの意味を持つこと、また漢字で「多幸(たこ)」とも書くことから、縁起物として扱われています。関西以南では、たこのうま煮をおせちに入れることが一般的です。

酢れんこん

れんこんは断面にたくさんの穴が空いているため、「未来を見通せる」「将来の見通しが良くなるように」という意味を持ちます。また、れんこんには種が多いことから「子孫繁栄を祈願する」という食材でもあります。酢水につけ、茹で上げたれんこんに鷹の爪をのせると、縁起物らしい紅白の色合いになります。

チョロギ

食用の植物であるチョロギを、梅酢につけて紅に染めたものです。「長老喜」「長老木」などの語呂合わせから、不老長寿を意味します。チョロギは飾り切りをしたかのような独特の見た目をしているので、おせちに加えることで華やぎを増してくれるでしょう。

煮物としておせちに詰める料理

煮しめ

いろいろな具材を鍋の中で一緒に煮ることから「家族が仲良く円満に過ごせる」「末長く幸せに」という意味を持ちます。
また、食材にはにんじん、ごぼう、れんこん、こんにゃくなどの縁起のよい食材が用いられます。

筑前煮

筑前地方(現在の福岡県北部・西部)で昔から食べられている煮物を筑前煮と言います。煮しめと異なるのは「食材を油で炒めてから煮る」という調理法です。おせちの定番という点では煮しめと変わりなく、にんじん、ごぼう、れんこん、こんにゃくなど、縁起物の食材が使われます。

里芋

親芋に子芋が連なり、つぎつぎと増えるところから、子孫繁栄の象徴とされる里芋。お煮しめや筑前煮のほか、白だしを使った白煮など、おせちの食材として定番の根菜類です。亀の甲羅に見立てたおめでたい切り方の「六方むき」で調理されることが多い食材です。

くわい

くわいは、丸い塊茎の先から大きな芽が出ることから「芽(め)出たい」に通じると言われています。芽が上に向かって伸びる姿は、立身出世を想起させます。また、里芋と同じく、子芋ができることから子孫繁栄を祈るという意味もあります。弱火で時間をかけて煮る含め煮で調理されることが多い食材です。

詰めたおせち料理を食べるときは?

重箱に詰めたおせち料理は、どのように食卓に並べたら良いのでしょうか。おせちを食べるときのマナーや、おすすめの盛り付け方を紹介します。

祝箸を用意しよう

おせち料理でお正月をお祝いするために用意しておきたいのが、祝い箸です。普通の割り箸と違って両端が細くなっていて、片方は人が、片方は神様が使うとされています。祝い箸の箸袋は紅白や金などの華やかな装飾を施されているものが多いので、食卓に彩りをプラスしてくれるでしょう。祝い箸を使うときは箸の中央を持ち、できるだけ箸先を汚さないようにするのが伝統的なマナーだとされています。

食べるときは食器に盛り付けるのもおすすめ

重箱のまま食卓に並べて各自で取り分けるのも良いですが、一人前ずつ食器に盛って提供するのもおすすめです。ワンプレートや半月盆などを活用すると、おしゃれに盛り付けられます。食器の色はモノトーンや赤などを選ぶと和風の雰囲気を出せるでしょう。松や花などのアイテムを飾りとして使うと、お正月らしい華やかな見た目を演出できます。

まとめ

おせちの重箱への詰め方は、大きく分けて5種類あります。品数や料理の種類にあわせて仕切りや器を用意し、美味しく見えるよう飾りつけて、新年をお祝いしてみてはいかがでしょうか。おせちを数日に分けて食べる場合は、1人分ずつを食器に盛り付けるのもおすすめです。また、縁起を担ぐアイテムである祝箸も忘れずに用意しましょう。
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