
お歳暮をいただいたとき、まずは心を込めてお礼状をお出しするのが基本です。お返しの品は必ずしも必要ではありませんが、「ありがとう」を形にしたいと感じることもあるでしょう。そんなときは、さりげない品を年明けにお贈りすると気持ちが伝わります。
本記事では、お礼状の書き方やお返しの品、「どんな品を選べば喜ばれるか」についてもご紹介します。郵便局のネットショップのアンケート結果を参考に、心に残る返礼のヒントを見つけてください。
お歳暮が届いたらなるべく早いタイミングでお礼状を出しましょう。お礼状はお歳暮をいただいたお礼であるとともに、無事に品物が届いたことを相手の方に知らせる意味合いも兼ねています。
家族や親しい友人・知人であれば電話やメールで済ませるのもよいでしょう。しかし、目上の方や年上の方にお礼を伝える場合、直筆のお手紙を選ぶことでより丁寧な印象を与えられることもありますが、相手のご事情やコミュニケーションのスタイルに合わせて、電話やメールなど適切な方法を選ぶことも大切です。お手紙の場合、封書ではなく、はがきでも構いません。雪だるまなどの季節のイラストがさりげなく描かれているものを使うのも細やかな気遣いが感じられていいですね。
ところで、皆さんは実際に何人くらいの方にお歳暮を贈っているのでしょうか。郵便局のネットショップが実施したアンケートの結果をご紹介します。

最も多かったのは「2~3人」(31.7%)で、次いで「4~5人」(27.5%)が続きました。全体としては、数人~5人程度に贈る方が半数以上を占めており、日頃お世話になっている相手に“無理のない範囲で贈る”のが一般的であることがうかがえます。
お礼状の文面に決まった形式はありませんが、書く内容の順序はだいたい決まっています。全体の流れとしては、以下のような流れで書けばまず間違いはないでしょう。このほかにも、自分や家族の近況を軽く書き添えるのもおすすめです。
夫宛てに届いたお歳暮に対するお礼状を妻が書くときは、お礼状の最後に夫の名前を書き、その横に小さく「内」と記します。妻以外の家族や会社の部下が代筆する場合は、「内」ではなく「代」と書きましょう。
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拝啓 寒気の候、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
私たちは相変わらず、仕事に趣味に日々忙しく過ごしております。
さて、この度はお心のこもったお品をいただきまして、ありがとうございました。
早速家族がそろったときの夕食に出したところ、家族の皆で取り合いになるほど大好評でした。
これからますます寒さが厳しくなりますゆえ、○○様もご家族の皆様もどうぞご自愛くださいませ。
まずは略儀ながら書中にて御礼申し上げます。
敬具
□□□□(お歳暮の受取人の氏名)
内
ただし、お礼状を出すのが1月に入ってからになってしまった場合は、時候のあいさつの部分を「寒中御見舞」「寒中御伺」としましょう。
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お歳暮は本来、目下の方から目上の方や上司などに日頃の感謝の気持ちを込めて贈るものです。そのため、お歳暮をもらっても基本的にお返しをする必要はないと考えられています。
贈り主がお世話になったことに対するお礼の気持ちで贈ったお歳暮に対して受取人がお返しをしてしまうと、お歳暮の贈り主に「かえって相手に気を使わせてしまったのではないか」と思わせてしまうことにもなりかねないからです。
お返しは必ずしも必要ではありませんが、感謝の気持ちを伝えたい場合は、相手との関係性やご自身のご事情に合わせて、無理のない範囲で選ぶとよいでしょう。金額や品物も、相手に負担を感じさせない程度に配慮すると、より気持ちが伝わります。
その場合、お歳暮の到着後しばらく時間が経ってから、いただいたお歳暮の半額程度の品物を「お年賀」「寒中御見舞」「御礼」として贈ります。
お返しの品は、いただいたお歳暮の半額から同額程度を目安に選ばれることが多いですが、相手との関係やご事情に応じてご判断ください。その理由は、明らかに高価なものを贈ると、「贈り物は結構です」という意味として受け取られてしまうことがあるためです。お歳暮の相場は3,000~5,000円だと言われていますが、想像以上に高価な品を贈られているかもしれません。お歳暮を扱うネットショップを見たり、店舗に直接問い合わせたりするなどして、値段を確認してから品物選びをするのもいいでしょう。
また、贈ってもらった品物と同じものをお返しすることは、地域や相手の慣習によっては避けられる場合があります。気になる場合は、別の品物を選ぶか、相手のご意向を確認されると安心です。たとえばハムを贈ってくれた人には果物やビール、洋菓子を贈ってくれた人にはおかきやコーヒーなど、別カテゴリの商品を選ぶのがポイントです。感謝の気持ちを伝えられるように、相手の喜ぶ品物を選んでください。
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お歳暮は12月初旬~20日ごろに贈るのが一般的ですが、お返しはお歳暮の時期を厳守する必要はありません。年が明けてからお年賀や寒中見舞いとして贈るのが基本です。友達やご近所さんなど、対等な関係の相手へのお返しは、年内にお歳暮として贈っても構いません。ただし年末年始に届くように贈ってしまうと、個人の場合は帰省や旅行、法人の場合は冬季休業などで受け取れない可能性もあるので避けるようにしましょう。
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お歳暮のお返しを渡すうえで、知っておきたいマナーを紹介します。
お歳暮に限らず贈り物をする際には、品物が届く前に送り状を送付するとより丁寧です。送り状は縦書きの便箋に手書きで記載するのが正式なマナーだとされています。しかし、親しい相手に対してはハガキやメールなどの簡略化した形式でも構いません。送り状で事前に知らせることで、相手にお返しを受け取る準備をしてもらうことができます。
一般的な贈答品と同じく、お歳暮のお返しにものしをかけるのがマナーとされています。ギフトを扱うネットショップやデパートではのし紙での包装サービスを行っている場合もあるので、注文時に確認すると良いでしょう。水引の結び方は慶事用の「蝶結び」を、相手や自分が喪中の場合は「結び切り」や「あわじ結び」を選ぶのが一般的だとされています。
のしの表書きは、以下のように時期に合わせた内容を記載しましょう。
お歳暮のお返しにもぴったりの、人気の冬ギフト4つと、郵便局のネットショップが実施した「もらって嬉しいもの」を調査したアンケート結果をご紹介します。

人気が高かったのは「お肉・ハム」(19.2%)。次いで「海鮮・水産加工品」(16.4%)、「果物・野菜・農産物」(15.2%)と続き、食卓をより豊かにしてくれる食品が上位を占めました。ほかにも、スイーツやお菓子、お酒やコーヒーなどの嗜好品といった、手軽に楽しめる贅沢ギフトも支持を集めています。実用性と特別感を兼ね備えた品物が喜ばれていることがわかります。
お歳暮の定番として長年にわたり信頼を寄せられるお肉やハムのギフトは、感謝を伝える心温まる選択肢です。特に上質なハムやベーコンのセットは、日持ちの良さで慌ただしい年末年始の食卓を助ける献立の即戦力となります。
歳末の食卓を飾る海鮮・水産加工品は、お召し上がりいただく際の高い満足度で支持されています。いくらや明太子などの高級珍味は、いつもの食卓に確かな特別感を添え、ご飯の贅沢なお供として活躍します。さらに、冷凍保存で日持ちし、調理の手間がかからない加工品は、忙しい時節の食卓の心強いサポーターとなり、受け取る方に時間と心のゆとりを届けるでしょう。
旬の恵みを凝縮したフルーツや農産物のギフトは、栄養価も豊富で、健やかな生活への願いを届ける贈り物として需要が高まっています。味や香りに加え、色鮮やかなフルーツや農産物は、五感でもお楽しみいただけます。近年は特産野菜の詰め合わせや、手軽に楽しめる鍋セットが、年末の献立負担を軽減する実用的な贈り物として好まれます。
お歳暮の定番として高い人気の洋菓子と、季節の彩りや職人の技が光る和菓子は、安心してお選びいただける贈りものです。いずれも比較的日持ちが良く、個包装になっている品が多いため、必要な時に必要な分だけ開封したり、お好みのタイミングでゆっくりと味わったりと、利便性の高さも魅力です。
伝統的なマナーでは、お返しの品物について配慮が求められる場合もあります。
刃物・ハンカチ・櫛・肌着・履物などは、言葉の響きや語呂合わせから縁起が良くないとされる場合があります。また、目上の方への筆記用具・カバン・金券類なども、相手によっては失礼と受け取られることがあります。
ただし、近年は価値観も多様化していますので、相手のご意向や地域の慣習を尊重して選ぶことをおすすめします。
また、お歳暮のお返しとして定番の食品であっても、相手がアレルギーのある品物を贈ってしまうと口にできません。食品を贈る場合は念のため、アレルギーの有無を事前に確認しておくと良いでしょう。
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お歳暮の受け取りを遠慮することも、マナー違反ではないとされています。
やむを得ず受け取りを辞退するケースとして、配達先の住所を長期間不在にしていて受け取れない場合が考えられます。また、公務員として務めていたり、社内での贈答が禁止されているにもかかわらず部下から贈られたりなど、立場上贈答が禁止されている場合も受け取りができません。また、あまり関わりのない方や、疎遠になってしまった方からお歳暮が届く場合も考えられます。
受け取れないお歳暮が配送された場合は、配達ドライバーに返送してもらうよう依頼することも可能です。相手に失礼のないよう、お礼状で『今後はこのようなお心遣いは無用です』など、丁寧な言葉でお断りの意思を伝えることもできます。
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お歳暮は11月半ばごろに準備することが多いので、届く頃には自分もしくは相手が喪中になっていることも考えられます。お歳暮はお祝いではなく季節の挨拶なので、喪中であっても贈答して問題ありません。ただし喪中の場合、通常ののし紙ではなく、のしや水引のない無地短冊を選ぶとより丁寧です。ただし、四十九日の期間は故人とのお別れで心身ともに多忙になります。相手が喪中の場合、四十九日が明けた後に贈ると心遣いを伝えられるでしょう。
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お返しの品を贈りたい場合は、一般的に、年が明けてから「お年賀」(松の内:関東では1月7日まで、関西では1月15日まで)として贈るか、さらに遅れる場合は「寒中御見舞」(立春:2月3日または4日頃まで)として贈るのが基本です。
ただし、友達やご近所など対等な関係の相手へのお返しは、年末年始の忙しい時期を避け、年内にお歳暮として贈ることも可能です。
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お歳暮を受け取っても基本的にお返しは不要ですが、お礼状を送ることで感謝の気持ちがより伝わります。ご自身の状況や相手との関係性に合わせて電話やメールなども活用しつつ、可能な範囲でご対応いただくと良いでしょう。
また、お返しの品物を渡したい場合は、いただいたお歳暮の半額~同額程度の品物を、年明けに「御年賀」「寒中見舞い」として贈るのが一般的です。お歳暮やそのお返しを通して日頃の感謝を伝えることで、相手と円満な関係を築いていきましょう。
お歳暮やお返しの商品選びに迷ったら、相手との関係にあわせてぴったりの商品を選べる「郵便局のネットショップ」をぜひご活用ください。
※コラムの内容については、地域性や諸説ございます。
日本郵便株式会社として記載内容のみを推奨しているものではございません。