香典返しは、故人を偲び、法要に列席してくださった方々への感謝の気持ち。故人が生前親しくされ、お世話になった方々ですからお贈りする際のマナーには充分な配慮が必要です。
香典返しは不祝儀ですから、「すぐに使ってなくなる」消え物をお贈りするのが一般的。 ただ、弔明け(一般的には四十九日、神式では五十日)まで四つ足を控える家庭もあるため、消え物であっても肉はマナー違反にあたります。また、「四つ足生臭もの」も相応しくないとされていますので、魚も避けたほうがいいでしょう。贈りたい場合は肉や魚の掲載されたグルメ系のカタログギフトで代用しましょう。
「昆布」は葬儀や法事の精進料理に欠かせない食材。しかし、繁殖力が旺盛であることと「よろこんぶ」という語呂合わせから結婚式の結納品に使われることが多く、慶事を連想させるため、香典返しのお品にはそぐわないとされています。
従来、香典返しはお香典の「半返し(半額)」程度の品物がよいとされてきましたが、最近では「商品券」などの金券を用意されるケースも増えていて、マナー違反とは言い切れません。ただ、露骨に値段がわかってしまうため、しきたりを重んじる方が違和感を覚えられる可能性も。
商品券を利用されるなら、お受取りになる方の年齢や家族構成に配慮しましょう。
「お酒」は神事を営む際のお供え物ですから、香典返しの品物には不向きです。また、お酒(ビールなども含む)などの嗜好品は、慶事を連想させるという意味でも、不祝儀である香典のお返しには相応しくありません。