昔は現在のように寿命が長くなかったことから、長生きをした人たちを祝う習慣がありました。日本に昔から伝わってきた伝統的な習慣は少しずつ消えていく傾向にありますが、残しておかなければならない伝統は存在します。特に今の平和な日本があるのは、今まで一生懸命働いて日本を支えてくれたお年寄りです。感謝の気持ちを込めて、それを言葉にして伝える機会はこれからも残しておく必要があります。60歳からは還暦を祝う行事が行われており、その流れで卒寿祝いをしています。卒寿祝いとは、数え年で90才を迎えた人のためにお祝いをする行事です。90を漢字で縦書きに記したとき、卒の略の字になることから、卒寿と呼ばれるようになりました。数え年で90歳になるので、89歳の満年齢になったときにお祝いをすることになっています。現在の日本人の平均年齢は男性が79歳、女性が86歳ですから、卒寿祝いをしてもらえる人はとても長生きだといえます。
卒寿内祝いは一般的に必要ないと言われています。ですがまだまだ行っている方も多いようです。まず、卒寿祝いがあるのであれば先に卒寿内祝いの準備をして、普段お世話になっている方々に一緒に祝っていただきましょう。こういった行事は非常に大切で卒寿の御祝いをするために家族が集まることによって、普段一人での過ごし方に悩まれているおじいちゃんおばあちゃんも楽しい時間を過ごすことができます。若い人は仕事や学校が忙しくて時間が足りないと感じがちですが、お年寄りの場合は仕事をリタイアしている人も多く、家にずっといるので寂しさを感じたり暇を持て余していることが少なくなりません。そんなときに卒寿の祝いをするから集まって食事会をしようと提案するとそれはとても喜んでくれることは間違いありません。このように卒寿祝いをしてくれることに喜びを感じ、卒寿内祝いをされる方もいらっしゃいます。身内同士なので、内祝いは必要ないと考える人も結構いるようなのですが、身内だからこそ嬉しかった気持ちを形にしたいと卒寿内祝いをする人も実は結構多いのです。ではいったい卒寿内祝いはどのタイミングでするのでしょうか?一般的には、卒寿祝いをいただいた後から1ヶ月くらいまでだと言われているようです。早すぎても相手方が気を使ってしまいますし、遅すぎるのは御礼が遅いのと一緒なので失礼にあたるので気を付けましょう。また、品物に名前を入れられる方もいるようなのですが、お返しされた側は使い道に困るという声もあったりするので、結構シンプルなものが良いでしょう。
卒寿祝いのギフトの選び方のポイントは、旅行が好きな方であれば、旅行券をプレゼントして、旅行に持っていくときに使い勝手の良いバッグをプレゼントするのも良いです。思い出を残せるカメラやビデオをプレゼントするのもいいでしょう。また、物ではなく家族が一緒に過ごせる時間をギフトにする方法もあります。おじいちゃんとおばあちゃんを旅行に招待して、家族みんなで貸し切りバスなどを使って温泉で過ごすことも人気になっています。高齢になると長く歩くのは大変になるので、自動車免許を返納する人も増えていますから、貸し切りバスで遠出をすることを大変喜ばれるお年寄りは少なくありません。逆に卒寿内祝いのギフトの選び方として、若い人の好むものがわからないという方が多く、カタログギフトや商品券が人気を集めています。高齢者の中にはカタログギフトや商品券は味気ないと考える人もいますが、若いもの世代では自分の好きなものを選べるので嬉しいという声も上がっています。
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