取引先など法人にお中元を贈る時は、相手が喜びそうなものや、役に立ちそうなものを贈りたいものです。上手に選べば好感度が高くなって、円滑な取引ができるようになるでしょう。個性を主張するよりも、相手の好みに沿った方が良い印象を与えられそうです。毎年あえて同じものを送って印象づける方法もあります。
定番は食べ物や飲み物です。何人かで分けられるように、あらかじめ個包装になっているものを選びましょう。会社や部署、担当者宛に贈っても、結局は複数の従業員で分けるからです。仕事の合間につまめるお菓子やジュースが向いています。
全員がすぐ口にできるとは限らないので、ある程度日持ちして、常温で保存できるものが望ましいでしょう。お中元限定の商品や地方の名産、有名な高級店など、目にする機会が少ないものほど喜ばれます。
他にも来客用に使うコーヒーやお茶、給湯室で使う台所用品のような消耗品も重宝されます。法人の予算では買わないような、高品質で使い勝手の良いものが最適です。
お中元は感謝の気持ちをこめて贈るものなので、法人向けに限らずお返しは不要です。個人間のお中元なら、同程度のお中元や暑中見舞いを贈ってお返し代わりにしますが、それも法人では不要です。ただし会社や上司によって考えが異なる場合もあるので、必ず指示を仰ぎましょう。それは個人名でお中元を受け取った時も同じです。
お返しはしなくても、お礼状は必ず送ります。どんなに親しい間柄でも電話やメールで済ませず、はがきや手紙を送りましょう。まずは挨拶文から始め、お中元のお礼を述べ、今後の付き合いや引き立てをお願いして、最後に相手の健康や発展を祈って結びます。ビジネス用のお礼状なので、手書きよりはパソコンで作成した方が無難です。
完成したら上司に確認してもらい、会社から出した手紙であることが分かる形で送ります。例えば社名の入った封筒に入れたり、社名の横判を封筒に押したりします。できれば、お中元を受け取ったその日のうちにお礼状を発送するのが望ましいでしょう。
もし会社や上司の方針でお返しを贈ることになった場合は、もらったお中元の価格を調べ、それ以下のものを贈ります。高額のものを贈るのは失礼にあたり、相手も気分を害するかもしれません。相場は半返し(半額)程度です。ただし、見返りを期待して贈られたお中元に対して、戦略的に高額のお返しを贈る意向があるなら、それに従います。
お中元は贈る期間が決まっており、一般的には7月の前半(一部地域では8月の前半)です。それ以降は「暑中見舞い」や「残暑見舞い」になります。法人向けだからこそ、間違えないように気をつけましょう。
法人向けにお中元を贈る時は、マナーが守られていないと失礼にあたります。ビジネスに影響するからこそ、しっかりと守りたいものです。
初めてお中元を贈るなら、迷惑にならないか確認しましょう。最近ではお中元に限らず、贈答品のやり取りを禁止している法人が増えています。誤って贈ると、相手に返送や断りの手紙を書く手間が発生するので気をつけましょう。
身の丈に合わないものを贈るのも考えものです。相手側は、何か見返りを期待しているのではないかと疑い、こちらに悪意が無くても良くない印象を与えてしまいます。
法人向けのお中元は、遠方でない限り直接持参するのがマナーです。手提げの紙袋に入れて持参し、お中元だけを渡します。紙袋は折りたたんで持ち帰りましょう。宅配業者を利用する場合は、お中元を贈った旨の送り状を同梱するか、先に到着するように送ります。
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