家族や親族間でのやりとりが多くなる「お盆の手土産」。形式ばったマナーよりも、お相手の好みや事情をきちんと察し、必要な気遣いができているかどうかをポイントに考えていきましょう。
特に親戚が多い家、初盆など多くの来客があると思われるお宅へ訪問するのであれば、手土産は来客に振る舞われるつもりで選びましょう。切り分けやお皿の用意などで手間取らせないよう、個包装でそのまま出せる品がおすすめです。
また、いただきものが重なってすぐに食べない可能性もあります。そのため、ある程度日持ちのする品を選んでおくのもポイントです。
お盆の時期には冷たくしていただく手土産なども喜ばれますが、冷蔵庫に空きがないのに賞味期限の短い冷蔵品を受け取ってしまうと、お相手が困ってしまいます。
冷たくするものはその場で食べられるよう、あらかじめ保冷剤などで冷たい状態で持っていき、常温で持参する場合は常温のままで日持ちするものを選びましょう。すぐ冷蔵庫や冷凍庫に入れてほしいものを持参する場合は、あらかじめ「冷たいものを少しばかりお持ちしたいのですが」と、お相手の状況を確認しておけると安心です。
ちなみに、手土産は本来部屋に通されてからお渡ししたり、お盆の場合はまず仏壇に供えたりするものですが、冷蔵や冷凍の必要な品に限っては、ひとこと断って玄関先でお渡しするようにします。
実家や祖父母宅となれば、子どもや孫が帰省してくるのを楽しみにしているもの。スイカ、メロンなどの果物やアイスクリームは子どもに定番人気の品ですが、子どもたちが好物の品は、すでにお相手が用意していることも考えられます。できるだけ重なりそうにない品を選び、両親や祖父母の顔を立てるのも、子や孫ならではの気遣いです。
自分の住んでいる地域にない珍しい食べ物は、もらうとうれしいものですし、贈る側も自分たちの住んでいる場所について知ってもらえる良い機会になります。名物がたくさんある地域なら、より夏らしい品を選ぶとよいでしょう。
ジュースなどの、常温保存できて冷たくして飲める飲み物は、自分たちで飲んでもよし、来客に出してよしと外れがありません。お酒の好きな方、来客と一献傾ける機会の多い方であれば、ビールや日本酒、ウイスキーなどその方がお好きな種類のお酒であればいくらあっても困らないでしょう。
都市部から地方へ訪問する場合などは、メディアで紹介されていた品や、行列の絶えない店の品など、話題にしやすい品を選ぶのも、話が盛り上がってよいでしょう。
ただし、あまり話題性を強調しすぎると、都会暮らしの自慢や、ありがたみの押し売りのように感じられることもありますので注意が必要です。「私も食べてみたかったので」「たまたま行列が少ないときに通りかかったので」など、クッションになる言葉を上手に挟めると印象も良いはずです。