法人にお中元を贈る際には、個人に向けて贈るときと何が違うのでしょうか。
こちらから取引先の法人に贈るときや、法人から先にお中元をもらった場合のお礼の伝え方など、「どうすれば良いか分からない」という悩みについて、対処法をまとめてみました。
お中元の表書きの書き方や、送り状やお礼状の例文も掲載していますので、法人に向けてお中元を贈りたい、あるいは法人からお中元をいただいたという方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
お中元を贈る際に、まず知っておきたいのは贈る時期と相場感です。時期を間違えてしまうと失礼になってしまいますので、適切なタイミングで贈るようにしましょう。 複数の会社や部署に贈る際には、目安となる費用感についても押さえておきたいものです。
一般的に、お中元の時期は7月の上旬から15日頃とされています。
地域によっては、時期が異なる場合があるので注意が必要です。贈る相手の地域に合わせて、時期を選ぶことが必要となります。
地域別の時期の目安は、以下の通りです。
北海道:7月中旬〜8月15日
東北・関東:7月初旬〜7月15日
北陸:7月初旬〜7月15日もしくは7月15日〜8月15日(地域によって異なる)
東海・関西・中国・四国:7月中旬〜8月15日
九州:8月1日〜8月15日
沖縄:旧盆の期間(旧暦の7月13日〜7月15日にあたる日にち)
沖縄は、旧盆の期間にお中元を贈ります。毎年日付が異なるため、要注意です。
法人に贈る場合、お中元の相場は5,000〜10,000円が目安です。
お中元は毎年贈るもののため、お互いに負担にならない金額を考慮した方が良いでしょう。
例として、特にお世話になったお得意様には10,000円、複数の法人へ挨拶回りに行く場合は各社3,000円といった風に、取引先ごとに金額を変えても、問題ありません。
また近年、法人によっては、贈り物を受け付けていない場合があります。
品物を購入する前には、しっかりと相手に事前確認しておくことをおすすめします。
お中元を贈る際には、表書きと贈る側の名前を「熨斗(のし)紙」に書く必要があります。
また、可能であれば先に送り状を送ることで、より丁寧な印象を持ってもらうことができます。
表書き上段には「お中元」または「御中元」と書き、下段に会社名と代表者の氏名を濃い墨の毛筆や筆ペン、太めのサインペンで記入します。このとき、会社ではなく支店や部署に贈る場合は、それぞれの代表者氏名を書きます。
お中元の時期を逃してしまった場合は、表書きを変更して贈るようにしましょう。
立秋までは「暑中御見舞」「暑中お伺い」、立秋を過ぎてからは「残暑御見舞」「残暑お伺い」と記載する必要があります。
法人に贈る際は、目上の人に贈る際に記載する「暑中お伺い」や「残暑お伺い」といった書き方が望ましいとされています。
一般的に、表書きは「熨斗(のし)紙」に記載します。
熨斗紙とは、熨斗(のし)と呼ばれる飾りと水引(みずひき)が印刷されている紙のことです。
水引は紅白5本の花結び(蝶結び)タイプを選ぶようにします。
熨斗紙は簡略化されたマナーのため、状況によっては失礼に当たる可能性もあります。正統なマナーで渡すべき相手には、熨斗を付けて水引を引くようにしましょう。
お中元を手渡しできず配送する場合、送り状を送っておくことが望ましいとされています。
送り状を送る場合、品物よりも先に送り状が届くようにしましょう。
直接伺いご挨拶ができない場合でも、先に送り状を送っておくことで、より丁寧に気持ちを伝えることができます。
送り状はメールではなく、手紙で送付することが望ましいです。
親しい相手など、関係性によっては電話やメールで済ませることはあるものの、ビジネスの相手には手紙で送るほうが良いとされています。
法人にお中元を贈る際には、個人に贈る場合とは少し違ったマナーを押さえておく必要があります。
ひとりに対して贈るわけではなく、相手が複数であることを意識しながら、品物を選ぶようにしましょう。
法人にお中元を贈る際は「皆様で分けてください」という意向が伝わるものが喜ばれます。
お菓子の詰め合わせであれば、大人数に配ることができます。
また、お中元の時期を考えると、冷やしておいしいジュースやゼリーなどもおすすめです。
他に、贈りたい相手がお酒好きということが分かる場合、少し贅沢なビールを贈るのも良いでしょう。
個包装の品物であれば、複数人で分けやすくなります。
食べ物を贈る場合は賞味期限に気をつけて、日持ちするものを選ぶようにしましょう。
冷蔵庫での保管が必要なものは、なるべく避けたほうが無難です。
お中元を法人からもらった場合は、どうすればよいのでしょうか。
お礼状やお返し(返礼品)を贈る際の注意点や、お礼状を書く際の例文について、解説していきます。
取引先の法人や、目上の方にお中元をもらう機会があるかもしれません。その場合には必ずお礼状を送りましょう。メールなどで簡略化せず、書面でお礼をします。
お中元をもらったら出来るだけ早く送るのがマナーですが、受け取った1週間以内を心がけ、遅れる場合には連絡を入れておき、改めてお礼状を送りましょう。
お礼状は、PCで作成しても手書きにしてもどちらでもかまいませんが、横書きではなく縦書きで作成するのが一般的です。
拝啓
盛夏の候、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
ご芳志誠にありがたく、謹んで拝受し、改めて御礼申し上げます。
さて、このたびはお心尽くしのお中元の品をお贈りいただき、厚く御礼申し上げます。
いつも細やかなお心遣いをくださり、一同感謝いたしております。
暑さ厳しき折から、皆様のご自愛をお祈り申し上げます。
略儀ながら書中を持ちまして御礼申し上げます。
敬具
お中元は「日頃お世話になっている」という「感謝の気持ち」を贈るものですので、基本的にお礼の品物をお返しする必要はないとされています。
ただし、すみやかにお礼状を出し、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
返礼品を贈りたい場合は、いただいた物の半額から同額程度までの品物にしておくことがマナーとされています。
また、お返しを贈る際には、いただいたものと同じ種類の品物を選ばないように気をつけることが重要です。
一例として、ハムを贈ってくれた相手に、ハムを贈り返してしまうと失礼に当たります。
メーカーが違っていたとしても、避けたほうが良いとされています。理由は、「こちらが贈る品物のほうが上質である」と捉えられるおそれがあるためです。
表書きは、通常通りお中元を贈る場合と同じく、「お中元」または「御中元」と記載しましょう。
お返しのタイミングがお中元の時期からずれてしまった場合は、「暑中お伺い」や「残暑お伺い」などと書きます。特に返礼品であることを記載する必要はありません。
法人向けにお中元を贈る際には、個人とは少し違ったポイントを押さえる必要があります。
もしも相手から先にお中元をいただいた際には、できるだけ速やかにお礼状を送るようにしないとマナー違反になります。
お返し(返礼品)は必ずしも贈る必要はありませんが、贈る際の表書きなどは基本的に、通常のお中元の送り方を踏襲してかまいません。
ポイントは「お世話になっている方への感謝の気持ち」です。また、法人向けの場合、相手が複数人であることを意識した贈り物選びをすると、喜ばれます。
急いでお返しをしたいときに「何を贈れば良いか分からない」という方は、「郵便局のネットショップ」がおすすめです。
「お中元・夏ギフト特集2024」には、フルーツやハム・ソーセージといった定番品のほか、気になる人気商品が勢ぞろい。予算別や、贈る相手によって、商品を選ぶことができます。
豊富な種類が揃っているので、必ず目的にあったギフトが見つかるはずです。